管理人のあいさつ


ナチス(国民社会主義ドイツ労働者党。略称がナチス)の支配していたドイツで
「白バラ」というチラシを配りヒトラーの独裁を公然と批判したグループがいました。

1942年から1943年にかけてミュンヘン大学の学生たちと哲学の教授が作っって配布した
「白バラ」は、ヒトラー独裁政権にとってその支配を脅かすものでした。

ナチスは、執拗に容疑者を捜し出し、ハンスらメンバー3人を逮捕しました。
見せしめの裁判がナチスの管理下で開かれ、死刑の判決を下します。

そして、死刑は即日執行されたのでした。1943年2月22日のことです。
その後も「白バラ」関係した人々を逮捕、処刑台に送りました。

今から30数年程前、学生だった私は街の書店で偶然「白バラは散らず」という本を手にしました。
タイトルへの興味から購入して読んだのが「白バラ抵抗運動」を知るキッカケでした。

その後、日本で出版された「白バラ」関連の書籍にはほとんど全て目を通してきました。

1986年には「白バラ抵抗運動」を描いた西ドイツ(当時)の映画
「白バラは死なず」の自主上映を地域で取り組んだこともあります。

今年(2013年)は、この「白バラ抵抗運動」から70年目、
ヒトラーが政権についた1933年から80年目にあたります。

そんな折り、日本国の首相をつとめた人物が次のような発言をしました。
「・・ドイツのワイマール憲法もいつの間にかナチス憲法に変わっていた。
誰も気が付かなかった。あの手口に学んだらどうかね・・・・」

これは我が国の「憲法改正」の議論に対してなされた発言ですが、
歴史に対する無知を世界中にさらけ出す発言でした。

ナチスは、当時もっとも民主的だといわれたワイマール憲法を変えてはいません。
ヒトラーが政権についた1933年に国会で全権委任法という法律を制定し、
これによってワイマール憲法の効力を奪ってしまったのが歴史の真実です。
それも、武器を含むあらゆる手段を使って、強権的に進めたのです。

私は、以前から「白バラ抵抗運動の記録」をウェブ上に作りたいと考えていました。
そんな私の背中を押したのは、皮肉にも上記の発言でした。

現在、我が国では「特定秘密保護法案」が国会に上程され、衆議院では採決が強行されました。
民主主義国家とは相容れない悪法を「数の力」で成立させようしています。
「白バラ」の時代の、批判を言わさない社会を想起させます。

私たちは、「白バラ」の歴史から、侵略や戦争をさせない
社会や国家のあり方を学んでいく必要があると考えます。

ネット上では、すでに何人かの方が「白バラ」に関するホームページを作成しています。
そうした方々に敬意を払いつつ、私なりの切り口とまとめ方で、
「白バラ抵抗運動」を記録していきたいと考えています。


2013年11月  白バラ抵抗運動を記録する会 管理人



(「白バラ」No1 部分 注:実際に配布されたビラのコピ−ではありません)













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