「白バラ」のビラ なぜビラを「白バラ」としたのかについて、 多くの本ではよくわからないとしています。 民族裁判所の起訴状には、この名前は「気ままに選ばれたもの」であり、 「同名のスペインの小説から取られた」と記載されていますが、 民族裁判所の起訴状ですから、この通りに受け取ることはできません。 池田浩士著「抵抗者たち 反ナチス運動の記録」(TBSブリタニカ)によると、 ドイツの作家B・トラーヴェンの小説「白バラ」にちなんで名付けられたとしています。 B・トラーヴェンは、1918年〜19年にかけての「ドイツ革命」の中で レーテ(=ゾヴィエト)共和国の側にたって闘った作家だそうです。 この説が現在の所、一番確かかなと思われます。 ただ、読み手の立場からいえば、「白バラ」という名称は 読んでみようとする気持ちを起こさせるネーミングだといえます。 私も、「白バラ」という題にひかれて本を手に取ったのですから・・・・ |
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「白バラ」のビラは、計6種類が発行されました。 しかし「白バラ(Der Weissen Rose)」との名称で書かれたビラは、T〜Wまでで、 5番目と6番目に発行されたビラには、「白バラ」X、Y とは書かれていません。 ここでは、5番目と6番目に発行されたビラにもX、Yをのナンバーを付けています。 下記のリンク先には、実際に発行されたビラのコピーと、翻訳を載せています。 「白バラ」 T 「白バラ」 U 「白バラ」 V 「白バラ」 W 「白バラ」 X 「白バラ」 Y 翻訳は、Cペトリ著、関楠生訳「白バラ抵抗運動の記録」を参考にしていますが、 難解な文章であるため、他の本にある訳やドイツ語翻訳ソフト、辞書を使って訳しています。 |
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「白バラ」は、支援者やビラを受け取った人の複写により、ドイツ各地に広がりました。 イギリス空軍は、「白バラ Y」をドイツの主立った都市に空から撒いています。 R.Aフリードリヒ著、岩槻敬佐訳「ベルリン地下組織 1938〜1945」には、 ミュンヘンでの「白バラ」の事件の記述があり、「白バラ」を入手し、タイプで複写する場面や 抵抗グループを通してイギリスへ送付する段取りをつける場面が記録されています。 また、M.CシュナイダーとW.ズュース著、浅見昇吾訳「白バラを生きる」には、 その「白バラ」配布の広がりを示す地図が掲載されています。 ゲシュタポ(秘密警察)やナチ信奉者の目をかいくぐって、 ドイツ各地にビラやその複写が配布されていたことがわかります。 (「白バラ」のビラの分布 「白バラを生きる」より) |
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(「白バラY」 実際に配布されたビラではありません) |
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